大判例

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福岡高等裁判所 昭和26年(う)2606号 判決

原裁判所は、被告人は外国人登録令第十一条第一項の規定によつて外国人とみなされる朝鮮人であつて、昭和二十二年度松山市で外国人登録を受けていたものであるが、その後引きつづき本邦に居住しながら同二十五年一月中に行われた登録切替の際法定の期間内に所定の登録証明書交付の申請をしなかつたものであるとの起訴状記載の事実を認定して被告人に対し外国人登録令違反罪として昭和二十六年七月二日懲役三月に処する旨宜告している。ところが、これより先き同年一月二十四日宇部簡易裁判所は被告人に対し被告人が同二十五年十二月二十八日広島市から宇部市え旅行するに際し宇部電車内において外国人登録証明書を携帯していなかつたとの事実によつて罰金二千円に処する旨の判決を宜告し、その判決は当時確定していること記録に徴して明らかなところである。従つて、外国人登録証明書交付の不申請罪が仮令継続犯であるとしても本件審判の対象である訴因は右に示したように昭和二十五年一月中に行われた登録切替の際法定の期間内(昭和二十四年政令第三百八十一号附則第二項参照)と限定しているかぎり、右登録証明書交付の不申請という不作為と宇部簡易裁判所の前記確定判決の内容である登録証明書不携帯の犯罪事実との間には正に手段結果の関係あり、単一かつ同一事実であるから宇部簡易裁判所の判決の確定力は本件についても及ぶものであること勿論である。即ち本件起訴状記載の事実については既に確定判決を経ているが、原裁判所としては、被告人に対して刑事訴訟法第三百三十七条第一号によつて免訴の言渡をなすべきところであつたに拘らず更に有罪の判決をなしたのは、法令の適用に誤があつてその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかである。

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